普段と違う土曜日2008年11月02日 09時00分41秒

さて、今週土曜日は欧州全体の休日で、
お店が閉まっているという、ブラック・ウィークエンドということだった。

平日忙しいサラリーマンにとって唯一土曜日の買い物が重要なのだが、
(日曜は当然、開いている店はレストランとガススタンドだけなので)
土曜の鼓動が停止すると厄介だ。

フランス人、ドイツ人に何度も確認し、土曜は店は
閉まっていると聞いていた。

ところが金曜日に、会社の部下のドイツ人が
「朝ラジオで、フランスは店やってるらしいでぇ~」
との情報をわざわざ教えてくれた。
「まあ、もし心配だったら、店に電話かけて誰かでたら、
やってるということだから、、、」
などと冗談半分にアドバイスしてくれた。

40%の不安を感じながら、家で嫁さんに話し、
「あきらめてたけど、いつものCORA(フランスのスーパー)行くか」
ということになった。

CORAまでの道のりはそこそこ車も走っており、期待感が
高まったが、ブラインドコーナーを曲がって、バッと開けた
駐車場は空=やってない。

お腹減ったと騒ぐ娘に、嫁さんは
「パパの会社のドイツ人が悪いんだよ~」
と、説得し(説得されてないが)

目標を変更し、フランスの高速道路のサービスエリアで
食べることにした。
サービスエリアのレストランも色々あるが、
Autogrill が我々の定番だ。

イタリアが本拠地だったはずだが(違ってたらスンマセン)
フランスでも食べ物が美味しく、しかも今はTajin(タジン)と
呼ばれるモロッコ料理がメニューに含まれている特別期間だ。

近くのスーパーに行く予定だったので、ナビなど積んでなかったが
適当に車を走らせ、MetzそばのAutogrillでタジンを食べた。
やはり美味しかった。

ここへいく途中、アウトバーンを走る私の車窓から、
嫁さんがAuchanというフランスでは有名なスーパーの
駐車場に多数の車を発見。
下道へおりると、Auchanだけではなく、子供服やおもちゃ屋、
靴屋など、マーケットプレースが開店していた。
マーケットプレース 車でツバイブリュッケンから、1時間程度、けっこう時間も潰せるし
毎週とまでは言わないが、今後も使えそうだ。

会社のドイツ人の情報で、一瞬がっかりさせられたが、
そのおかげで、美味い昼飯を食べれたし、新たな発見も
あったので、よしとするか、、、、。

月曜に、一応彼には、ダンケと言っておくか、、、、。

チェス元年2008年11月03日 07時02分01秒

さて、この歳にして、初めてチェスというものを購入した。

昔から興味はあった。

高校時代にPC8801MHで、BASICマガジンを読みながら
FM7用のチェスプログラムをPC8801用に移植しながら
ガイコクの将棋!というエキゾチックな感覚に思いを馳せていたのが
懐かしい。

その後、日本ではチェスセットも高価だし、相手もいないし、
ということで思いが風化していった。

春に嫁さんとフィレンツェに行ったときのこと、
二人のカップルが、ワインバーの外のテーブルで
ワインを飲みながらチェスに興じていた。

イタリアの美男美女が、ワインバーの外席で
時に通りを行き交う人々をヒューマンウオッチングしながら、
駒を進める、、、。

映画のようなシチュエーション!
これだ!

とは恐れ多いので、まったく思わず。(実はちょっと思ったが)

無理だ!(我々には、、足の長さも違うし)

と思ったが、そのちょうど半年後の昨日、チェスを買ってしまった。

現在、嫁さんと駒の動き、ルールを修得し、トレーニング中。

駒の動きはおおよそ知っていたものの、キャッスルとか、
通過捕獲とか、まだまだ覚えることは多い。

キング、クイーン、ビショップ、ナイト、ルーク、ポーン、
一応、駒の名称は全て覚えた。

老後、縁側で日向ぼっこしながら、お互い
背中を丸めながら夫婦でチェスをする、、というのも
おつなもんだねぇと、とりあえずそのレベルを目指すことにした。

第一弾終了。2008年11月05日 06時43分35秒

月曜、火曜と出張で、ドイツ中部の街に行ってきた。
ツバイブリュッケンからは4時間半くらい、距離にして
370kmくらいだ。

さすがに今回は泊まりの出張にしたが、
技術的な案件はもとより、本来あるべき姿、すべきこと
など様々な話題を業務を越えて議論することができた。

世代を越えてノウハウを伝えていくことに王道はなく、
あるべき環境を作り、するべきことをする。

ノウハウを持った先人が退職し、技能が伝承されていない
危機的状況。

このテーマに関しては、また違う機会にじっくりしてみようか。

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出張からの帰り道、色々な話題を話して熱中していたら、
速度違反のフラッシュが光ってしまった、、、、。
多分10~15km/hオーバーだろう。
やれやれ、、、、。

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明日から3日間、スペイン出張だ。技術打ち合わせも明日からが
本番!今週は若干ハードな日程ですなぁ。

疲れた~2008年11月08日 08時45分24秒

スペイン出張が終了した。

その場では何事もなく、普段どおり仕事をしていたが、
本日夕方、急激に眠気を感じ、

皆と酒を酌み交わしたあと、
ブログを書きながら、更なる睡魔に襲われている。

5(スペイン人) 対 2(日本人)+1(ドイツ人)
での技術的な討論は、非常に有意義だった。
(技術的な結果のみならず)

ヒアリングとスピーキングで前頭葉が疲労したが、
様々な発見があった。仕事だけではなく、生き方、
人生の楽しみ方、あるべき自分の姿、
様々な切り口、自分がまだまだ成長すべきであり、かつ
成長できると実感した。

今回はある一部の部品に関する打ち合わせだったが、
久々に、(拙い)語学力、(危うい)技術力で全神経を集中させて、
正直な自分を駆使して、全力で対応することができたと感じている。

それでも、到達すべき、理想の自分は、まだまだ遠いねぇ、、、、。


追伸:日本から出張してともに議論したT氏、お疲れ様でした。
&色々刺激になりました、ありがとう!

技術力のバランス2008年11月09日 07時44分15秒

先週は、コンポーネントのメーカーに出張に行き、
技術的な話を進めてきた。

会議以外の時間(工場見学や夕食など)で
普段から気になっていた案件、
「技術力とは?」「その伝承をどうすべきか?」
を議論する機会があり、以下の点を再確認した。

市場の状況も悪く、競合他社も大勢、国際競争も加速し、
製品開発のサイクルもどんどん急ピッチになっていくなか、
競争力のある技術力、そしてその伝承というのは
今に始まったことではなく、各社でけっこう前から
危機感を持って議論されてきた案件ではあるが、
今回ドイツとスペインの2社を回った印象は象徴的だった。

私のつたない能力と表現では限界があるのだが、
私の考察レベルの高低(主に低さを、、)は無視していただくとして、

(1)健全な人員・年齢分布

(2)技術が純粋に好きな技術屋の存在

(3)ノウハウの伝承に王道なし

考えれば当たり前のこの3つが、不思議と今回出張で回った
2社からとも感じることができ、自分の会社を、そして自分を
見つめなおすいい機会となった。

(1)に関しては、市場景気、売り手市場、買い手市場など
状況にも左右されやすく、一担当レベルではコントロールが
難しく、企業の人事があるリスクと覚悟を持って分布を均一に
するべき項目であろう。

メーカーの技術部門に限らないかと思うが、自分が技術屋なので
技術部門に限定したように記載してしまうが、ご容赦を。

極端な話、全員が20歳とか、全員が50歳とかは、継続的な
企業活動をできないということだ。
もちろん年齢ですべてを計ることはできないので、年齢とはあくまでも
一つの指標の例としての表現なので、ご了承を。

経験だけでもだめ、理論だけでもだめ。
瞬発力だけでもだめ、持続力だけでもだめ。
皆がおんなじ方向を見ていてもだめ、皆が違う方向を見ていてもだめ。

時に、理論で裏打ちし進み不要な確認を低減し、
時に、理論構築の限界点では経験でカバーし、
短期勝負が重要なときは瞬発力で対応し、
基礎研究などは持続力で継続し、
ある程度方向性をまとめて勢いをつけ進みながらも、
常にその方向が正しくない可能性を考える人を置く(リスク管理)、
といった感じか。

ごくごく当たり前のことだが、伸びていく企業にはこれが
自然か人工かはともかく、感じることができる。

(2)に関しては、(年配の)技術好きの技術屋の存在ということだが、
コアなコンポーネントメーカーには、必ずと言っていいほど
このような人がいる。今回の2社もそうだったが、過去に
にも同様の経験がいくつもある。

もちろん仕事としての技術屋というのもいる。
それは純技術というより、製品開発の一連の流れを把握し、
コーディネートする技術で重要だが、
それとは別に、とにかく自分たちの技術力で問題解決や
厳しいスペックを解決・達成しようと、自分たちの純技術向上に
努力を惜しまない人といったイメージか。

得てしてこういう人たちは純粋培養で、コストや営業その他には
無頓着な印象があるが、一概にそうはいえない。
人によるのは、どの案件でも一緒だが、
これまた年齢を経ることによって、無頓着であっても
長年他分野の影響を感じ続けることで、おのずとほどよく
バランスが取れたりしている人もいる。
また純粋培養が自分でわかると、他分野の賢人をそばにおいて
バランスを取り、自分は更に技術を追求したりと、、、いう循環も
生まれる。自分の長所・短所を把握して、短所はもっとできる他人に
任せるといった風に。

ただ企業の中に、社内力学ではなく、技術に集中できる人を
可能な限り作るということは、今後の企業の生き残りに少なからず
影響があると考えている。特に資源の少ない日本で、
技術再立国するには。

私の中で仕事とは、一日に何個「決定」をしたか、
が一つの大きな指標だ。

技術屋の仕事は、品質・コスト・納期を考えた上で、いくつもの
「決定」が要求される。

図面に50mmの長さの線を引く=これも「決定」の一つだ。
色々な技術資料を読んで、「部品変更が必要」と判断するのも
「決定」の一つだ。

一度、一日に何個「決定」をしたか、数えてみるのも面白い。

そして技術開発部門でこの「決定」をスピーディにするためには、
「純技術」の習熟度、経験が、やはり基本。

このバックボーンがないと、「決定」自体をすることが難しくなる。
そして誰かに聞かざるを得なくなり、電話確認や問題の横渡し、
メールの交通渋滞を発生させる。

ということで、もう少し純技術を追求することにしようと、
心に決めた出張であった。

(3)に関しては、ドイツ人の技術好きの技術屋さんと
話した内容を次回、紹介することにしよう。

妙な迫力とチープ感2008年11月10日 06時46分02秒

今日、日曜日11時半くらいまで寝てしまったが、
妻子にたたき起こされ、隣街のPirmasens(ピルマゼンス)まで
いくことになった。

本日は、日曜でも街がオープンしている日とのこと。
(嫁さんが新聞で情報入手。本日はピルマゼンスとシュパイヤーのみ)

あいにくの雨と風で、ちょっと見て帰ろうとイメージで
歩いていた。

こちらでは普通の、移動式遊園地がいくつか
設置されていて、出店も色々出ていた。

写真は、久々に様々な衝(笑)撃を受けたフライングカーペットだ。
撮影するなと、嫁さんには言われたが、我慢できず撮影。
様々な衝撃・・・・
「学園祭のような手描きの迫力」
「最近ではなかなか見れない微妙なチープ感」
「秋も終わりに近づき、冬将軍が来そうな時期とは
別方向の絵」
「全ての絵が個性的で、誰かに似てそうで似てない感」
などなど、、。
特に、この人↓ イかしてます
イカス

サメの歯の首飾りに、サメの背を掴みサーフする迫力、、、、。

本当は、ドイツ人技術者との話を掲載する予定でしたが、
予定を変更してこんな話を載せてしまいました。
スミマセン。

例の季節2008年11月10日 07時13分48秒

さて気温も下がり、来月はドイツ人(欧州含む)が楽しみにしている
バイナッハッツ(クリスマス)シーズンだ。

もちろん宗教的にも重要な意味があるのであるが、
軒並み、小さな町、大きな街でクリスマスマーケットが開催される。

そして、そこでの風物詩はグリューワイン(ホットワイン)だ。

本日のオフェヌング・ゾンタッグ(日曜開店の日)は、11月フェストという
位置づけらしいが、このグリューワインも様々な小屋、出店で
飲むことができた。
(12月を待たずに、はよ飲みたい、、という訳ではないと思うが)

寒い季節を楽しむ方法と、季節感を感じるイベントと飲み物を
飲むことで、今年もこの季節を迎えることができたという
安心感とでもいうのだろうか、そんな雰囲気を楽しんでいる
というように、周囲の人々から見受けられた。

今日みたいな寒い日には、やはりグリューワインは合いますね。

その老人は言った2008年11月12日 08時22分33秒

「どこの会社でも同じかもしれませんが、私の企業や日本の企業では
これまで蓄積してきた技術やノウハウの伝承がうまく行っているとは
言えず、ノウハウを持った人々が定年で会社を去るという、問題が
出てます。」

南アフリカのワインを飲みながら、その老人は静かに口を開いた。

「それが問題なのかどうか、感じ方考え方にもよるだろうけど、
私は特に問題とは捉えていない」

長時間の技術的打ち合わせを経て、私なりの彼の印象はこうだ。
・純粋に技術が好きで技術で一家(会社含む)を支えてきた
・管理職経験も長く、労使との交渉、度重なる不況の経験もあり
・技術は好きで中心においているが、営業・コストなどとの調和を
 重んじている
・戦後間もない時期も経て、肝も据わっている印象だ。

更に老人は続けた。

「いつの時代も、伝承というのはそういう性質のものであり、
つい最近始まったことではない」

私は2杯目の地ビールを飲みながら、続きを聞いた。

「伝承というのは、セミナーや教育、講習、座学でできるものではない」

「確かにそうです。一番速いのはOJTや、市場などに直結した課題を
与えて、本人が悩みながら、課題を解決していき、それを積み重ねる
ことですね」

白髪の老人は、更にワインを飲みながら、続けた。

「そうだね。でもそれだけでは十分ではないよ。」

「と、いいますと?」

「一人で悩みながら進めてもいいが、違う方向にいってしまいそうなとき、回答がでず時間がかかってしまうなど、壁がある。」

「確かにそうですね」

「当たり前のあるべき環境をつくり、するべきことをするというのが
大事だ。それも普段からしておかなければならない。
つまり、世代を超えたコミュニケーションの雰囲気をつくり、
経験者に聴くということだ。小さなことでも、大きなことでもいい。
えらくなって別室にいくと、壁ができて、**事業部長とか
**長とかになって、部下との技術的会話がなくなると
伝承というのは、不可能になる。向こうの棟の方に何人か
いるがね。フフフッ。」

「ごくごく当たり前のことを当たり前にできる会社が、伝承に
たどり着くことができるんですね」

「経験者を置いておくという環境も大事だが、双方向で意見交換
しないと、だめだろう」

「世代を超えたコミュニケーションと、コミュニケーションしやすい
環境、、ということですか」

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技術的検討内容の詳細の記憶は薄れてきたが(薄れちゃまずいが)
このときの数分の会話は、酔っ払っていたにもかかわらず、
不思議と印象に残っている。

その老人の顔に刻まれたシワの数々は、それぞれが
彼の生き様・経験を体現したような印象を与え、
いつかこんな老人になるのも、いいな、とちょっと思った。