その老人は言った ― 2008年11月12日 08時22分33秒
「どこの会社でも同じかもしれませんが、私の企業や日本の企業では
これまで蓄積してきた技術やノウハウの伝承がうまく行っているとは
言えず、ノウハウを持った人々が定年で会社を去るという、問題が
出てます。」
南アフリカのワインを飲みながら、その老人は静かに口を開いた。
「それが問題なのかどうか、感じ方考え方にもよるだろうけど、
私は特に問題とは捉えていない」
長時間の技術的打ち合わせを経て、私なりの彼の印象はこうだ。
・純粋に技術が好きで技術で一家(会社含む)を支えてきた
・管理職経験も長く、労使との交渉、度重なる不況の経験もあり
・技術は好きで中心においているが、営業・コストなどとの調和を
重んじている
・戦後間もない時期も経て、肝も据わっている印象だ。
更に老人は続けた。
「いつの時代も、伝承というのはそういう性質のものであり、
つい最近始まったことではない」
私は2杯目の地ビールを飲みながら、続きを聞いた。
「伝承というのは、セミナーや教育、講習、座学でできるものではない」
「確かにそうです。一番速いのはOJTや、市場などに直結した課題を
与えて、本人が悩みながら、課題を解決していき、それを積み重ねる
ことですね」
白髪の老人は、更にワインを飲みながら、続けた。
「そうだね。でもそれだけでは十分ではないよ。」
「と、いいますと?」
「一人で悩みながら進めてもいいが、違う方向にいってしまいそうなとき、回答がでず時間がかかってしまうなど、壁がある。」
「確かにそうですね」
「当たり前のあるべき環境をつくり、するべきことをするというのが
大事だ。それも普段からしておかなければならない。
つまり、世代を超えたコミュニケーションの雰囲気をつくり、
経験者に聴くということだ。小さなことでも、大きなことでもいい。
えらくなって別室にいくと、壁ができて、**事業部長とか
**長とかになって、部下との技術的会話がなくなると
伝承というのは、不可能になる。向こうの棟の方に何人か
いるがね。フフフッ。」
「ごくごく当たり前のことを当たり前にできる会社が、伝承に
たどり着くことができるんですね」
「経験者を置いておくという環境も大事だが、双方向で意見交換
しないと、だめだろう」
「世代を超えたコミュニケーションと、コミュニケーションしやすい
環境、、ということですか」
---
技術的検討内容の詳細の記憶は薄れてきたが(薄れちゃまずいが)
このときの数分の会話は、酔っ払っていたにもかかわらず、
不思議と印象に残っている。
その老人の顔に刻まれたシワの数々は、それぞれが
彼の生き様・経験を体現したような印象を与え、
いつかこんな老人になるのも、いいな、とちょっと思った。
これまで蓄積してきた技術やノウハウの伝承がうまく行っているとは
言えず、ノウハウを持った人々が定年で会社を去るという、問題が
出てます。」
南アフリカのワインを飲みながら、その老人は静かに口を開いた。
「それが問題なのかどうか、感じ方考え方にもよるだろうけど、
私は特に問題とは捉えていない」
長時間の技術的打ち合わせを経て、私なりの彼の印象はこうだ。
・純粋に技術が好きで技術で一家(会社含む)を支えてきた
・管理職経験も長く、労使との交渉、度重なる不況の経験もあり
・技術は好きで中心においているが、営業・コストなどとの調和を
重んじている
・戦後間もない時期も経て、肝も据わっている印象だ。
更に老人は続けた。
「いつの時代も、伝承というのはそういう性質のものであり、
つい最近始まったことではない」
私は2杯目の地ビールを飲みながら、続きを聞いた。
「伝承というのは、セミナーや教育、講習、座学でできるものではない」
「確かにそうです。一番速いのはOJTや、市場などに直結した課題を
与えて、本人が悩みながら、課題を解決していき、それを積み重ねる
ことですね」
白髪の老人は、更にワインを飲みながら、続けた。
「そうだね。でもそれだけでは十分ではないよ。」
「と、いいますと?」
「一人で悩みながら進めてもいいが、違う方向にいってしまいそうなとき、回答がでず時間がかかってしまうなど、壁がある。」
「確かにそうですね」
「当たり前のあるべき環境をつくり、するべきことをするというのが
大事だ。それも普段からしておかなければならない。
つまり、世代を超えたコミュニケーションの雰囲気をつくり、
経験者に聴くということだ。小さなことでも、大きなことでもいい。
えらくなって別室にいくと、壁ができて、**事業部長とか
**長とかになって、部下との技術的会話がなくなると
伝承というのは、不可能になる。向こうの棟の方に何人か
いるがね。フフフッ。」
「ごくごく当たり前のことを当たり前にできる会社が、伝承に
たどり着くことができるんですね」
「経験者を置いておくという環境も大事だが、双方向で意見交換
しないと、だめだろう」
「世代を超えたコミュニケーションと、コミュニケーションしやすい
環境、、ということですか」
---
技術的検討内容の詳細の記憶は薄れてきたが(薄れちゃまずいが)
このときの数分の会話は、酔っ払っていたにもかかわらず、
不思議と印象に残っている。
その老人の顔に刻まれたシワの数々は、それぞれが
彼の生き様・経験を体現したような印象を与え、
いつかこんな老人になるのも、いいな、とちょっと思った。












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